一期一路の ”上州 吾妻街道”

こんにちは、柏店の堀越です。

ここ最近だいぶ減りましたが、一年に200日くらい自転車に跨り、9,000㌔位は外の流れる風景を楽しんでます。
その中で年に1回、2回 「サイクリングの神様」が降臨していたなと思う、すべてがハマるライドがあります。

つい最近も、あの時はサイクリングの神様のお恵みにあずかれたなと思えるライドがかないました。


その日は榛名山ヒルクライムの参加される、クラブメンバーさんの下見に便乗して群馬県高崎の榛名へ。

麓は雨上がりの湿り気を含んだ半晴れでしたが、レースコースを上昇するにつれ、霧立ち込める雲の下へ。
今にも降り出しそうなパッとしない榛名湖の天気。麓との気温差で汗冷えに怯え、1時間程でコースの試走を終えて、高崎とは反対の長野原・草津方面に下ります。ここからが私の楽しみにしていた初見のコースになります。

*************後日の追加です。*****************

高橋君は、年代別3位。

井原さんも、年代別2位と見事入賞されました。



あっけない榛名山の試走を終えて、反対側に下りだし数キロで雲を抜けると、別世界のような晴れ間と関東の平野部より少し遅れた桜の最盛期。
後ろを振り返れば、榛名山にはどんより黒い雲が終日のしかかり、今日のルートの運気の良さを感じました。

「コンクリートから人へ」と時の話題になった八ッ場ダムから流れ落ちる吾妻川。
数年前の関東の豪雨の際は、完成間もないこのダムが関東平野を救ったと言われていた気がすます。

数キロ先のダムに貯められたものとは思えない、淀みなく澄んだ水。奥の山々には雪が残っており雪解けした雫も積もれば河になる。
川辺に降りて、水遊びするにはまだ時期尚早。

吾妻川に沿って嬬恋村へと延びる街道沿いには、季節の花々が。
緩やかに登り基調で進む最中ですが、気温もグングン上がり上昇気流が同じ速度で背中を押してくれているようでした。
こんな登りならどもまで続いて欲しい。

吾妻線 群馬大津駅 なぜか無人駅に哀愁と旅情感が掻き立てられてしまいます。
いい日旅立ち ”雪解け間近の北の空に向かい過ぎ去りし日々の夢を叫ぶ時・・・” そんな詩がCMによって刷り込まれているのかもしれない。

吾妻川を挟んで右手に、草津白根山。左手に折れ国道292進めば浅間山へ向かう一直線の登り。
この登り20㌔位続くのですが、これまたいい風が背中を押してくれるのです。

ある所に差し掛かると、それまでの風が止み、暫しの凪、その後冷気を含んだ向かい風に、明らかに空気の入れ替わりを感じたところは、ちちょうど県境の峠にさしかかった頃でした。

一目で解るシンプルなバス停、群馬、長野両県に配慮した折衷案ですね。


ここが本日のハイライト、あとは軽井沢の市街地に向けて下りれば帰路の見通しもつくので、安堵感が出てきます。

浅間山の残雪の冷気と、夏日の日差しの強さの狭間で、春でもない夏でもない曖昧さが心地よかってです。
最近の気候は中間帯のない極端なものになりがちで、フワフワした曖昧さって貴重になった気がします。今日でラッキー。

写真にお一人いませんが、女子クライマー I原さんはペースが速すぎて、既に軽井沢の麓まで下り切ってしまったようです。


軽井沢から安中に向けてはあの有名な碓氷峠を下ります。
近々、ここでもヒルクライムレースが開催されるようで、群馬の自転車振興も更に盛り上がるのではないでしょうか!!

信越本線の廃線あとにて、
レンガを積み重ねた眼鏡橋、切り立つ山をくり抜くトンネル。大きな重機のない時代にこんな立派なもの造り上げ、未だに現存することに当時の工事に携わった人々の苦労を想像してしまします。

信越本線と言えば、横川駅のおぎのやの『峠の釜めし』


16時の閉店時間を僅かに過ぎてしまいましたが、何とかセーフ。散り際の桜の木の下で戴きました。
100㌔漕いで、3000メート登ってありつけた飯、どんなに美味しいか想像してみてください。

勿論、最後はこのお釜を背中に担いで持ち帰りました。


神様の降臨はに振りの後々ふり返ってみて「あ、あの時 神様が」と感じるのもで、ライドの最中には気付かないものです、狙って出会えるものでもないようですし、さらに欲をかくと、かくほどに不運が重なるものです。

その日辿ったルート上での天候や、立ち寄った先の市中の人々との交わりまで、いろいろな偶然が交錯しながら一本の路がつながり、思い返せば、今日は最高のライドだったな、と。


拙い写真と文章でしたが、実体感したことの1/100くらいもお伝え出来てないとおもいます。
やはり自転車の楽しさって、自身で乗って五感で感じるに勝るものはないとおもいます。

今日という同じ日が2つとないように、一つ一つのライドも大切にしたいものです。